世界遺産知床~ヒグマとイクラ取り競争2010年09月10日 21:17

知床樺太鱒
ユネスコ世界自然遺産。日本では屋久島、白神に続く知床半島への釣旅…

9月5日AM4:00まだ夜も明け切らぬ相泊漁港から出港。
相泊漁港は知床半島111号線終点地にあり、これより先へは徒歩か渡船でしか行けない。
最初に上陸したのはモイレ・ウシ(静湾)。湾状のゴロタ浜に小さな流れ込みがある名前の通り静かな場所。
上陸直後に小さな回遊があったが、魚の反応は鈍い。

渡船が沖から全速力で戻ってきた。
「熊が来るぞ~!船に乗れ~!!」
荷物を取る間もなくあわてて沖へ避難。岬の先から2頭の熊がこちらへ向かって来る。

アイヌ語ではヒグマのことをキムン・カムイ(山神)。それに対し人に危害を与えるヒグマをウエン・カムイ(悪神)と呼び恐れる。イクラ取り競争といっても熊と戦うわけではないので逃げるが勝ち。熊の縄張りに勝手に人間が入っているのだから諦めが肝心である。
初めて見る野生の熊。しかも本場北海のヒグマ。100キロ程度の若いヒグマだが大人になると300キロになる。故中川一郎もそう呼ばれていたがホンモノはかなり怖い。
大熊が川沿いの餌場を縄張りにするので若熊は近づけず、海岸付近を移動しながら餌を探すそうだ。
船頭が船のエンジン音やチェーンソーで熊を追い払う。
人工的な音が嫌いなのか逃げる熊。熊より怖いのは船頭だった…

再上陸して釣りを開始。
「後ろに熊いるぞ~!逃げろ~!!」
今度は川の上流から新たな熊出現!
出発前に妻が熊除けの鈴(お飾りに付いていた鈴~)を持たせてくれたが効果は???


熊銀座でこれ以上の続行はムリである。「ペキンの鼻」へ移動。
ペキンといっても北京と関係はない。アイヌ語でペケレ・ノッ・エトゥ。
ペケレ・ノッは明るい草原。エトゥは鼻のことで岬を指す言葉をここだけ和訳。
確かに左右が開け見通しの良い明るい浜で安心して釣りができる。

イクラのターゲットは産卵遡上のため河口に集結中の「カラフトマス」

ブナ(婚姻色)が入り背の盛り上がった背ッパリのオス。
鉤鼻に変形した口にはオス同士の最終決戦に備え牙まで生やしている。

こちらはメス。お腹の中にはたっぷりイクラ。

掛かる場所は背鰭が多い。さらに表層に背ッパリのオスが泳いでいるので先に掛かってしまう。
釣れるのはオス8割に対しメス2割だ。
群にさえ投げ込めることができれば釣れてしまうのだが、釣れない西湘シーバスより百倍楽しい♪

珍しい口へのスレ掛かり(爆)
フライは口掛かりが多いが、ルアーで掛かるのは20匹に1匹。

昼食はグルーパー北海道支部の方々のご尽力により、その場でイクラ丼。


2日目はあいにく大雨。
ダニの巣の浜番屋でチャンチャン焼きを楽しんでいると…

雨による増水と昼食で人の気配が消えたことにより、小さな流れ込みでカラフトマスが一斉に遡上を開始している。

ペキンの鼻の流れ込みは50m上流に魚止めの滝がある。
ほとんどの魚は滝を昇れないであろう。たとえ登れたとしても系統が短い川では稚魚は育つことができない。
この事を知っている人間は鱒に哀れを感じてしまうが、鱒たちは種の保存という最終目標に向かって組んず解れつ、先へ先へ急ぐ。

そのうちに河口が登り切れない鱒で塞がってしまった。
満員電車の中にルアーを投げ込むようなものでスーパー入れ喰いである。
罪深きかな釣り人の性…

(詳しい写真付きは→ http://blogs.yahoo.co.jp/uminofarm/18438838.html )

羅臼 鷲の宿~野生の王国2010年09月10日 21:25

羅臼シマフクロウ
知床羅臼「鷲の宿」では知床ならではの野生動物を間近に見ることができる。

これから紹介する動物はすべて宿の目の前の小川での出来事である。

天然記念物シマフクロウ
滞在中は3日とも毎晩飛んできた。

ヒグマ親子
3頭の子連れはとても珍しい。

エゾシカ親子
宿の前に流れる小川はまさに野生の王国!

(詳しい記事は→ http://blogs.yahoo.co.jp/uminofarm/folder/182557.html )

羅臼 鷲の宿~別名痛風の宿2010年09月10日 21:27

知床グルメ
毎年9月第1週に開催される知床ツアー。

樺太鱒と鮭がターゲットの釣りツアーなのだが、いつからか知床グルメツアーと呼ばれるようになった。

その理由は定宿「鷲(ワシ)の宿」にある。

外観はお世辞にもきれいとはいえないが毎晩の料理が絶品である。

「グルメ(美食)とはグルマン(大食い)である」とは開高健の言葉だが、
鷲の宿の料理は北海の幸をこれでもかと言わんばかりの物量で攻めてくる。

キンキ(メンメ)の水煮と毛蟹
北海道の3大高級魚と呼ばれるキンキ。白身魚なのに脂が2割も。
酒、醤油など一切余計な味付けをせず、中までトロトロに煮込んである。
ちなみに生キンキは1尾5千円位で売られていた。キンキ毛蟹とも一人一匹。


北の幸のBBQ
キンキ、牡蠣、海老、烏賊、秋刀魚、ジンギスカン全て大振り。
とても食べきれないので焼きタラバは翌日へ。


タラバガニ
写真の半分サイズが空港では1万5千円で売られていた。
全員で3バイ。
パキンと割った足から引き締まった白身がブルンと出てかぶりつく…タナリマセンナー

宿の隣には何千匹の魚がここで解体されたのであろう作業場と冷凍庫。
釣ってきた樺太鱒のイクラ漬けも作成。
ただし強烈な魚フレーバーがするので二日酔いの方は要注意。

毎晩の美食と宴会。高脂・尿酸血症の中年には毒を食べているようなものである。
ツアー参加後に発症したとの話もまんざらではない。正に「痛風の宿」


宴会の後はガヤ(エゾメバル)釣り。
地元名ガヤとはガヤガヤたくさんいるので付いたそうだが、本当によく釣れる。


昼間でも底を叩けばこの通り。

知床は旅人を1日たりとも裏切らない(^^)

(詳しくは→ http://blogs.yahoo.co.jp/uminofarm/18439357.html )